人生、走れば好転!

2003年29歳から走り続けてます、そしてこれからも!

第30回記念 別海町パイロットマラソン(レース編)

2008年10月5日、いよいよ当日の朝
6時に携帯のアラームをセットしていましたが、いつもの習慣もあってか5時半には目が覚めてしまいました。外を見ると空は快晴、気温はどうなんだろう?と窓を開けてみましたが、想像していたような寒さは感じませんでした。

朝食は7時ちょっと前からと前日に説明がありましたが、6時半過ぎに食堂に行くと、すでに朝食の準備がされていました。昨晩はご飯を3杯も食べましたが、今朝は赤飯を1杯のみ。おかずも和食中心でバランスや量も丁度良く、ケチらずに2食付きにして本当に正解でした。

チェックアウト後、7時40分過ぎの送迎バスに乗り、8時頃大会会場に到着。とりあえず荷物を持ってトラック横の芝生に場所を確保しました。気温が低いことを予想していたので、秋冬用のウィンドブレーカーを着ていましたが、気のせいか…結構暖かいなぁ。
会場では札幌で行われるレースではないか?と錯覚してしまう程、お知り合いの方が本当に多かったです。

ちょっと早いと思ったのですが、トイレタイムの関係もあるので9時前にアップを開始しました。サブトラックをビルドアップで4周し、5周目はゆっくり走っての計2km。ウィンドブレーカーを脱いで、長袖Tシャツで走っていたのですが、それでも結構汗だく。すぐに汗を拭いて、またウィンドブレーカーを着ました。やっぱり今日は気温がちょっと高めかもしれません。

再び軽くストレッチをしてから、いつものようにトイレに並び、スタート20分前には一通りの準備は完了しました。今回もランパンの簡易ポケットにはカーボショッツを2つ。気温はやや高めだと感じたので、手袋はしないことに。あとは快晴ということもあり、アディダスのサングラスを着用。そしてスタート10分前、予備のカーボショッツを1つ補給してから、スタート地点に向かいました。

スタート地点でもストレッチをしながら待機していると…やばい…お腹が~牛乳の飲み過ぎか?(笑)すでにスタートまで5分を切ってたので、超ダッシュでトイレまで
一旦自分の荷物の所まで戻り、念の為ストッパも飲みました。そして再び猛ダッシュでスタート地点に

…スタート2分前~何とか間に合いました。流しの代わりになったかも(^^;
前から5列目くらいに入り、深呼吸をして気持ちを落ち着けます。

 

そして午前10時
号砲と共に今年最後のレースがスタートしました!

今回の目標ペースは1キロ3分35秒~40秒で、5キロは18分をちょっと越えるくらい、さらにこの条件で平均心拍数が163前後で、中盤まで推移するような希望を持ちつつ走り出します。
スタート後はトラックを1周半してからロードへ。
ロードに出てからは徐々に順位を上げていき、1kmの通過が3分37秒と非常に良い感じです。
別海町内を抜けて、延々と続くであろうパイロットロードに出ます。
徐々に集団が形成されていき、自分は4人の第2集団に落ち着きました。
自分は集団の一番後ろを走っていましたが、左脇腹にちょっと痛みが…。
ただ序盤と言うこともあり精神的にまだ余裕があったので、落ち着いて深呼吸を繰り返していると、いつの間にか痛みはなくなっていました。
その間にも5人のトップ集団からは徐々に離れていきましたが、とにかく今はこの集団で焦らず行こうと判断。

5km通過 18'17【163/168】

自分の感覚よりも実際のペースはちょっと遅い気はしましたが、この向かい風を考えると問題のない遅れです。
空は快晴でしたが風はまだ冷たく、手がちょっと寒い…。
自分は相変わらず集団の1番後に隠れて、出来るだけ風の影響を受けないように心掛けていました。
最初の2km辺りから5kmまでは心拍数は常に160を越えていたのですが、ここにきて160を切る事が多くなってきてる。ペースが落ちたのかな?ちょっと楽に感じていました。
1km毎の距離表示でペースを確認すると、やっぱりキロ3分40秒を越えていました。
前方に10kmの関門が見えてきましたが、時計を見るとすでに18分を越えてる状況。
そして10kmの関門通過を待たず、自分はペースを上げ集団を抜け出しました。

f:id:k-satochi:20210305183454j:plain10km通過 36'50(18'33)【161/165】

正直、集団を抜け出すつもりはまだなかったのですが、このペースアップに対応してきたランナーは予想外に一人だけ。ただその方は精鋭集団「作.AC北海道」Nさんです。
しばらくは並走状態が続いていたのですが、徐々に自分は後ろに下がって縦列に戻りました。無理をせずに後に付いてはいましたが、心拍数が165を越えてきてたので、自分としてはこれ以上のペースアップは、後半の事を考えるとちょっと厳しいかも。
とりあえずペースは3'40前後まで戻り、心拍数も165前後で落ち着いてきました。

15km通過 55'13(18'23)【165/168】

ペースアップしたにもかかわらず、なかなかペースは上がりきらず。だからと言って心拍数は165前後なので、これ以上無理をする勇気は出てきません。とにかく今はNさんのペースに付いて行く事だけを考えて走っていました。
それにしても走っても走っても似たような風景…初めて走るコースなので飽きはしないのですが、ちょっと油断をすると遅いペースにはまる可能性も出てきそう。

どこかは忘れましたが、途中に「牛横断注意」の標識がありました。両親が会場に向かう時に見たと言ってたのはこれの事かな?
放牧されている牛も、ランナーの事など我関せずと言った感じで、牧草を食べ続けています。何とものどかな風景です。
そんな空気を乱す様に走り続けている自分に、ちょっと違和感を感じてしまいました(笑)

20km通過 1:13'21(18'08)【165/168】

ペースは道マラの時よりも速いとは思うのですが、心拍数が予定していたペースに対して、若干高めなのが気になりました。
気にはなりましたが、まだ脚も呼吸にも余裕は感じていたので、今のペースを維持するくらいなら十分可能だとも感じていました。それに折り返したら下りの追い風になるし、もう少し楽になるはず。

前方から先導の白バイがこちらに向かってくるのが見えました。いよいよトップ集団が折り返してきたようです。
折り返し直後にペースの切り替えがあったのか、集団がちょっとバラけて縦長になっていました。
トップ争いの中にはNさんと同じ所属チームで、優勝候補でもあるMさんの姿もありました。そのMさんがNさんの存在に気付き、右手を大きく上に上げました。そしてそれに呼応するようにNさんも右手を大きく上に上げ…嫌な予感が。
そしてすれ違い様、「バシッ!」と豪快にハイタッチを交わしました。
…やっちゃった。
こういうのってお互いに凄く気合が入るんですよね、自分も逆の立場だったらアドレナリン出まくりなはず。
でもこれが何故嫌な予感かと言うと…
やっぱりNさんのペースが上がりました~

一気に離されてしまいそうになりましたが、ここは多少無理をしてでもペースアップに対応した方が良いと判断。そして自分達も折り返します。
急激なペースアップでこれまでの均衡が崩れ、一気に緊張感も高まります。
心拍数も170を越える勢い…脚はまだまだ動くものの、絶対にヤバイ。かと言って、今更後には引けない気持ちもあり複雑な心境。

自分も折り返し後は、積極的にお知り合いの皆さんに声を掛けたり手を上げたりして、気持ちを盛り上げていきます。22kmを通過するときに、何気なく時計を見ると6'4○…
一瞬目を疑いました。キロ3分半を軽く切ってます。
当然のように危機感を感じましたが、それと同時に自分に対する期待感も膨らみます。
ここに来てこんなペースで走れてしまうとは。と言ってもまだ半分を過ぎただけなので、やっぱり不安の方が大きいのは事実。
予定通り22.5kmのスポンジポイントで、1つ目のカーボショッツを補給。
往路の給水では水だけの補給でしたが、復路に入ってからはスポーツドリンクも補給しました。

25km通過 1:30'51(17'30)【168/171】

折り返してからは追い風だったこともあり、ペースはキロ3'35を切る場面が多くなってきます。ただペースが速い割には、比較的余裕を持って走れていたと思います。
脚にもまだ余裕を感じる…このまま行ければ31~2分台も見えてきそうな勢い。
そう簡単に上手く行かないのは、今までの経験でも分かっていることですが、これまでにない走りが出来ている事は、間違いなく自信にもなっていました。

30km通過 1:48'46(17'55)【165/168】

ここで30kmの自己ベストを1分以上更新!
今年は走った全ての種目で自己ベスト更新を狙っていたので、参考記録ながらちょっと嬉しかったです。さすがにハーフの自己ベストをこのレースで狙うことは出来ませんでしたが(笑)
ただこの5kmのラップは、体感で思ってたよりもタイムは遅めだったので、そろそろ見えない疲労が出てきたのかも。
とは言え、前のランナーの背中は徐々に大きくなってきています。Nさんから度々励ましを受けながら、その気持ちに応えれるように集中力を維持し続けます。
32.5kmのスポンジポイントで2つ目のカーボショッツを補給。

35km通過 2:06'50(18'04)【166/168】

前の5kmよりも頑張ったつもりでしたが、微妙にペースは落ちてきてます。でも気持ちはまだ前向きです。
この時点で、脚には明確な疲労感が出始めてきましたが、心肺機能的には若干余裕を感じていました。
自分はここで思い切ってスパートすることに

38km辺り(?)でとうとう5位のランナーを抜きました。
抜いた後に、付いてくる気配はありませんでしたが、気を抜かずに前を見据えて走り続けます。確か前にはもう一人いたと思ったのですが、この位置からでは確認できません。
まだ脚は動くぞと自分に言い聞かせ、さらに前を追います。でも残り5km…4km…3km…と距離を重ねる毎に、脚がどんどん上がらなくなってきました。

40km通過 2:25'10(18'20)【167/170】

別海町内のコースに戻ってきました。
この5kmを必死で頑張ったお陰で、最小限のペースダウンで抑える事は出来ましたが、40km地点を通過したとたん、突然と言っていい位に脚が動かなくなってしまいました。よくフルマラソンでは30kmや35kmの壁があると言いますが、自分は40kmに壁があったようです(笑)
そんなこともあり、ここからゴールまでの僅か2km…ここからが本当の地獄の始まりとなりました。

一旦は引き離したはずの、6位のランナーとの距離が気になり始めました。コーナーの度に後を確認しますが、やっぱり近づいてる~
6位のランナーのすぐ後ろには、Nさんの姿も見えます。
沿道からも『後から来てるよ~』と
…はい、分かってます
さらに『すぐ後からきてるぞ~』
…もう言わないで~…笑
この時点で、確実に二人に抜かされると思いました。

残り1km。まだ1kmもあるの?…絶対逃げ切れない、絶対無理だ…。
ここまで頑張ったんだから、最後に抜かされたって、それは仕方ないだろう。
などと色々言い訳を考え始める始末。
その一方で、自分は今本当に全力で走ってるのか?
追い込んでるのは気持ちだけで、実際はもう少し何とかなるんじゃないのか?
そして何よりも、ここで諦めたら、目標を達成したとしても、あとから絶対に後悔するに決まってる。
苦しいのは気のせいではないけれど、少し冷静になる事で集中力を今一度高めることは出来るかも。
まだ疲労度の少ない筋肉はどこだろう?腰から膝裏かけての裏面はほぼ限界。でも腿前面と足首はまだ何とかなりそうか。
上体をやや前傾させて腕振りを大きくし、腿を今までよりも高く上げ、ストライドを伸ばします。そして足首を使って思いっ切り脚を蹴り上げる事を繰り返す、その影響でフクラハギと脛が張ってくるのがわかりました。

競技場に至る最後の直線では向かい風の追い討ち。
ペースは全く上がりませんが、最大限の努力はし続けます。
そしてコースを右折し、やっとトラックに戻ってきました。
でもやっぱりここでも『後来てる~頑張れ~』です。
…そう、ここまで来たら絶対に逃げ切るしかない。
何度も後を振り返りながら必死で走りました。本当にキツい~~~~~~
そして最後の直線に入った所で逃げ切れる事を確信、それでもスピードを緩めずに全力でゴールに駆け込みました

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42.195km 2:33'34(8'24)【168/174】

地元の高校生から、完走賞としてバスタオルをかけてもらい、さらにシャケ1匹を手渡されました。
6位の選手とは6秒差で何とか逃げ切ることが出来、本当に最後は頑張ったと思います。
そしてゴール後は、何故か脛が攣りそうになりました…こんなの初めてです

表彰式では賞状、メダル、カップの他に、持ちきれないほどの副賞を頂きました。
しばらくは食べる物に困る事はないでしょう(笑)

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表彰式が終わってからは温泉で汗を流し、その後は本当は色々食べたかったのですが、消耗しすぎて食欲が全くありませんでした。中標津空港から夕方の便で札幌へ。


今回の別海町パイロットマラソンでは、目標である2時間35分切りを達成することが出来ました。次の目標はやっぱり2時間30分切りという事になるのですが、これを達成するには今の自分では根本的に力不足だと感じています。
今後の頑張り次第では達成出来るかもしれないですし、あるいは一生達成出来ない大きな壁かもしれません。
とにかく自分自身の可能性を信じることが大切だと思うので、これからも強い気持ちを持って記録に挑戦し続けて行くつもりです!
でもとりあえずは、しばらく休んでしっかり充電したいと思います。

最後になりましたが、今回走られた皆さん、そして応援してくれた皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてこの素晴らしい大会の運営に携わった沢山の方々に、心から感謝申し上げます。

 

〈当時を振り返って②〉

ここでの走りで、2時間半切りという明確な目標を持つことが出来ました。結局今現在に至るまでに、目標を達成することは叶いませんでしたが、マラソンを走っていて一番充実していたのが2008年でした。走り始めた当初は、3時間を切ることすら目標にしていなかった事を考えると、とてつもない進歩だったと思います。またこんな走りが出来たら…と思う時もありますが、心身共にそこまで追い込むのは、さすがにもう無理です。

 

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